「経審を受審したい」または、「取引先から経審を受審するように言われている」といった事業者様は
多いのではないでしょうか?
弊所も、「経審を受けて公共工事に参入したい」等のお問合せをよくいただきます。
役所の手引きを見てもかなり難解に書かれていますし、自社で調べてもよくわからず、途方にくれている方も
多いと思います。
経営事項審査(「経審」)とは、公共工事(国又は地方公共団体等が発注する建設工事)を
発注者から直接請負おうとする建設業者が必ず受けなければならないものです。
端的に言えば、建設会社の実力を、評点にして計算する診断表作成のような作業です。
たとえば、御社が和歌山県の入札に参加して、和歌山県の発注する公共工事を受注したいとお考えの際には、
その前提として、必ず、経営事項審査を受審していることが求められています。
公共工事というのは、税金を原資として、社会全体の公用物を作るものです。
それゆえ経審は、実際の公共工事を完成させる実力を担保するための、非常に厳格かつ難解なものです。
具体的には、企業の売上や利益、技術者数、財務内容、社会保険等の体制、指示処分経歴の有無などの
様々な観点から審査が行われます。
経営事項審査は、「1回受審すれば、その後は受審しなくてもよい」ではありません。
継続して公共工事を受注したいとお考えであれば、定期的に(年に1回)受審していただく必要があります。
具体的には、「公共工事の発注者と請負契約を締結する日の1年7カ月前の日の直後の事業年度終了の日以降」に
結果通知書の交付を受けていることが必要です。
もっとも毎年、定期的に受審していれば、経営事項審査の有効期限切れを心配する必要はありません。
弊所では、上記の経審期限を厳重に管理しております。
決算終了後、速やかに経審を受審することが望ましいため、こちらからご案内を差し上げます。
1年7カ月の有効期限を失効させません。
(有効期限が切れた場合、公共工事の入札に応札出来なくなります)
申請前の準備時間、揃える書類など、経審を受審するためには、多大な労力をつぎ込むことになります。
無事に受審出来たとしても、不備があれば「補正」となり、再度、審査となります。本業に専念して頂くためにも、
このような時間はあまり生産的であるとは言えません。
森下行政書士社会保険労務士事務所なら
経審の評点は、法律で決められた項目を審査されるため、その評価基準は全国一律です。
客観的に決まる評点のため、これを客観点数と呼ぶこともあります。
この客観点数により、入札参加資格ランクを決定するのが、一般的です。
そのため、御社が狙う公共工事を受注するためにも、この点数がいかに重要であるかということです。
ほんの数点でランクが上がった、下がったという話は珍しくありません。
そこで、ここでは入札参加資格のランクを意識して、経審を受審される方のために、
その評点アップのポイントをいくつか掲載します。
総合評定値(P点) =0.25 X1 + 0.15 X2 + 0.20 Y + 0.25 Z + 0.15 W
P:総合評定値 X1:完成工事高、 X2:自己資本額および平均利益額、 Y:経営状況、
Z:技術職員数および元請完成工事、 W:その他審査項目(社会性等)
文字にすると非常に難解ですが、経営事項審査の評点(P点)の算出方法は、 各点数の合計ということです。
例えば、「赤字覚悟で、どんどん売上だけをあげれば総合評点が上がる!!」ということでは、ありません。
つまり、総合評定値(P点)をアップさせるには、上記の各項目(X1、X2、Y、Z、W)を、それぞれバランス良く、
アップさせれば良いということになります。
では、どうすれば各項目をアップさせられるのか?を解説します。
(こちらに掲載するものが、全てというわけではありません)
完成工事高評点(X1)が総合評定値(P点)に占めるウエイトは25%です。
平成20年の改正前は35%ものウエイトを占めていましたので、その時よりは偏重は緩和されています。
しかし、それでも最も重要な評価項目であることに変わりはありません。
評価できる金額の上限は1,000億円までに絞り込まれており、大多数の中小建設業者間における完成工事高の差が、
建設業者間の実力差として評点に敏感に反映します。
具体的には、概ね5億円以下の完成工事高の範囲において評点格差が明確になるよう設計がされています。
現行の経審では、もはや建設需要の増大は見込めないという前提にたって、完成工事高のウエイトが引き下げられ、
完成工事高よりも利益額に重点が置かれた制度設計となっています。
この観点からすれば、完成工事高の増加が必ずしも評点アップに直結しないことになります。
利益に関する評価項目は、経営状況の指標にも用いられており、しっかりと利益が確保できる優良な工事を
どれだけ多く受注できるかがポイントです。
赤字工事をいくら多く受注しても、利益額の評価でマイナスになりますので、結果として総合評定値はアップしません。
現行の経審で高得点を得るには、適正な利益が見込める工事を受注することが重要です。
ただし、利益を出すために下請や取引先を泣かせてしまうことは、適当ではありません。
自社の利益だけを追求しすぎると、結果として市場に見放され自らの存続を危うくしかねません。
ここはやはり、自社の得意分野を研究し「この業種・この工法ならどこにも負けない!」という独自の強みを
持つことが重要です。
誰にでもできる工事は安くなってしまうのが当然であり、利益率の良い工事を受注するには他社にない特長を
どれだけ発揮できるかにかかっています。
期末未成工事をどのように会計処理するかによって完成工事高を合法的に増加させることができます。
具体的には「工事進行基準」が考えられます。期末未成工事の評価方法を工事完成基準から、
工事進行基準に変更することで完成工事高を増加させることができます。
工事完成基準では、工事が完了し発注者に引き渡された時点で、はじめて売上として認識されます。
このため、決算日に引渡しが終わっていない未完成工事に係る入金額は未成工事受入金として計上することになります。
例えば、3月が決算月の場合、2月に5000万円の工事を受注したとしても、6月に完成引渡しをすれば、
その売上(5000万円)は今期の完成工事高とならず、翌期分として計上する方法です。
しかし、工事進行基準を用いると「工事の進み具合に応じて、完成前でも少しずつ売上計上できる」ようになります。
例えば、2月に5000万円の工事を受注した場合、工事の進み具合に応じて、
当期に3000万
翌期に2000万
のように、分割して計上できる、ということです。
こうすることで、3月が決算だとしても、3000万円分を決算に含めることができます。
(”工事進行基準”を用いる際には、税理士さんへの相談が必要になります)
こういった方法を用いることで、完成工事高を少しでも上乗せできれば、X1の点数を上げることができるのです。
この工事進行基準を採用すると、利益が前倒しになる分だけ納税額が増加しますが、この増加額は次期で精算され、
通算すると一致することになります。
このため、長期的にみれば、企業が特別に利益を得たり失ったりするものではありません。
経審における経営状況とは、御社の経営状態を決算書から分析するというものです。
平成20年改正前と比較すると、総合評定値(P点)に占めるウエイトは20%のままですが、
Y点最高点が1,430点から1,593点に引き上げられ、引き続き重要度の高い評価項目であるといえます。
90%以上が中小建設業者様の間においては、このY点の差が大きく総合評点に影響します。
このため、経営状況の評点を上げることにより同規模他社に比べて総合評点が上昇し、
公共工事が受注しやすくなるというメリットが生まれます。
常に営業外費用の大部分を占めているのが支払利息です。
この支払額を少なくすることに的を絞って努力することで、Y点上昇に寄与できます。
具体的には、
・公的資金を活用して借り換えを行うなど、低利の資金導入を図ることにより、支払利息の総額を減らします。
・材料などの棚卸資産が過剰在庫になっていないか検討し、適正在庫量に調整することにより、
実質的に寝ていた資金が浮いてきます。これを借入金の一括返済に充てることで、支払利息を減らします。
増資の方法としては、経営者やその他の出資者から資金を調達して行うのが通常ですが、
このような資金調達が難しい場合、次に述べる方法が非常に有効です。
中小建設業者様は、代表者個人からの借入金を有しているケースが多く見られます。
この場合は、代表者個人からの借入金を増資に振り替えることが可能です。
顧問の税理士や公認会計士の証明があれば、実際に資金を動かすことなく増資の登記をすることができます。
この増資により負債が減少するとともに自己資本が増えるので、大きくY点上昇に寄与します。
また、建設業の特定許可の取得や更新時における財産的基礎を満たすことに利用できる場合もあります。
代表者や経営者個人の立場からは、個人の財産が会社の財産になってしまい不利益を受けるようにみえますが、
実際には会社の経営状態が良くなって経営が安定すれば、役員報酬を増やすなどにより出資分を回収することが
できるため、単純に経営者個人の不利益になるわけではありません。
その他の審査項目W点(社会性等)は、建設業者様が社会的責任を果たしているかどうかを評価して点数化します。
W点の総合評定値(P)に占めるウエイトは15%ですが、最高点が987点(平成20年改正前)から
1,919点(平成27年改正)と大幅に引き上げられています。
また、平成30年4月1日改正では、W点のボトム(底)が撤廃され、W点の最低点は、
―1,955点(改正前までは、0点)に引き下げられました。
この相次ぐ改正からも、いかに建設業者様へW点貢献が求められているかが見てとれます。
それと同時に、特に近年は、社会保険等へ加入義務があるのに、それを果たさない業者様へその加入を
強く促すものになっています。加入義務を果たさない場合は、経審が受けられても、総合評定値を大きく減少させ、
実質的に公共工事に応札できなくなってしまいます。
具体的には、
これらは費用を要するものが多いですが、目的は、従業員が安心して、そして長く働き続けられる企業づくりを
するということです。
経営者だけが儲かるのではなく、従業員の生活も考えられ、保証できる建設業者様が評価される時代です。
上記について、評点を上げるためにすべきことには相違があり、かつ、かなり多様なものになります。
そのため、御社の状況に合わせて、どの評点をアップさせられるか?を見極め、その評点を上げる対策を行うことが
必要になってきます。
そして、評点が上がれば、請負額の大きな公共事業の入札に参加できるようになる、元請けからの信頼度も上がる、
という正のスパイラルを作ることが出来ます。
しかし、
・どの評点がアップできる余地があるのか?
・各評点を上げるために、何をすればいいのか?
を、御社自身で見極めるのは、とても難しい作業ではないでしょうか。
そこで、経験豊富な森下行政書士社会保険労務士事務所にぜひお任せ下さい!!
経営事項審査を受けるには、さまざまな手続きを経て、たくさんの書類を用意して、審査に臨まなければなりません。
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弊所は、経営事項審査や入札参加資格を得意とした事務所です。
いままで何社もの、そして様々な業種の建設会社様の経営事項審査をサポートしてきました。
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